シマキンチャクフグ

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真核生物上界 動物界 後生動物亜界 脊索動物門 脊椎動物亜門 顎口上綱 条鰭綱 新鰭亜綱
 フグ目 フグ亜目 フグ科 キタマクラ亜科 キタマクラ属


全長: 10cm


学名: Canthigaster valentini


英名: Blacksaddle toby(black = 黒い saddle = サドル、鞍 toby = トビー)
Saddled pufferfish(puffer = フグ)
Valentini's sharpnose puffer
  (Valentini = 学名より、人名か sharp = 先のとがった nose =鼻)
Striped toby(Striped = 縞のある)
Saddled puffer
Banded toby(Banded = 縛られた)
Saddleback pufferfish
Sharpnose puffer fish

漢字名: 縞巾着河豚


紀伊半島以南、インド洋・太平洋の熱帯域に分布する。
水深30m以浅の珊瑚礁の礁湖、礁外縁、礁斜面に単独で生息する。

後頭部を横切る幅広い褐色帯があり、体側背部にも3本の腹面に達する褐色横帯がある。

からだが小棘で覆われている。

背鰭と臀鰭を波打たせてゆっくりと泳ぎ、自由自在に方向転換することも、速度は遅いが後退することもできる。

有毒であり、カワハギ科のノコギリハギはシマキンチャクフグと色彩や斑紋がそっくりで生息環境も似ている。
ノコギリハギが無毒であることから、本種はノコギリハギの擬態のモデルであるとされている。

フグ毒はテトロドトキシンという物質で青酸カリをはるかにしのぐ恐るべき猛毒である。
食べた動物は死ぬが、食べられたフグも死んでしまうので身を守る役には立たないと思われていた。
最近の研究で、フグを網ですくったり、手荒く扱うと皮膚からテトロドトキシンを分泌することが判明した。
このように能動的にテトロドトキシンをコントロールしているフグもいるようである。
一度毒を感知して攻撃をやめた敵は、その斑紋を記憶していて、ノコギリハギを襲わないのであろうか。

食性は雑食性で海藻、貝類、カニ類、ゴカイ類、クモヒトデ類などを食べる。