タテジマキンチャクダイ

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F-90X 60mm RVP シパダン



真核生物上界 動物界 後生動物亜界 脊索動物門 脊椎動物亜門 顎口上綱 条鰭綱 新鰭亜綱
 スズキ目 スズキ亜目 キンチャクダイ科 キンチャクダイ亜科
  サザナミヤッコ属 ポマカントデス亜属


全長: 40cm


学名: Pomacanthus imperator


英名: Emperor angelfish (Emperor = 皇帝 angelfish = エンゼルフィッシュ)

漢字名: 縦縞巾着鯛


相模湾以南、中・西太平洋、インド洋、紅海に分布する。
沿岸のサンゴ礁域、岩礁域のドロップオフや潮通しの良いリーフ外縁に生息する。

黄色と青色の縦縞模様が特徴的で和名もここから来ている。模様に雌雄差は無いが、個体によって模様は多少違う。

サザナミヤッコ属の種では幼魚から成魚へと成長するにつれて、体色と斑紋が著しく変化することが有名である。
タテジマキンチャクダイの幼魚は、濃い青地に体の後半部で白い線が渦巻状になっているので、他の種と区別できる。
成魚の斑紋に変化するのには個体差があるが、通常12cm〜15cmで変身する。

このような体色斑紋の変化は、幼魚が成魚同士の激しい縄張り争いに巻き込まれないようにするためなどの諸説があるが、まだはっきりとは分かっていない。
これには異論もあって、サザナミヤッコの幼魚が似ているので、成魚の争いのために幼魚がその様な模様になったのではなく、同じ幼魚から2種に分かれたのだと言う人もいるが、進化の過程は「始めに幼魚ありき」ではなく、それほど簡単に説明のつくものではない。
各々の説も仮説の域を超えないので、人の説を否定することは出来ない。

日本近海やミクロネシア・西太平洋では背鰭後端が伸びる個体が見られるが、インド洋や紅海では背鰭の後端が丸い個体が多い。
まれに太平洋でも背鰭後端が丸い個体が見られるが、隔離分布されてから種分化したであろう種なので、こういった例は海流のいたずらであろうと思う。

幼魚は夏から秋にかけて本州沿岸でも見られるが、これは孵化した仔魚が黒潮に流されて北上したもので、水温の下がる冬には死んでしまう。
この事を死滅回遊あるいは無効分布と呼んでいる。

雑食性で海綿などの付着生物や藻類を食べる。

飼育はどのサイズも丈夫で、餌付けもよく容易である。
アクアリストの間では幼魚は「ウズマキ」という愛称で呼ばれている。
人気があり、価格も高い。