ニシキベラ

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真核生物上界 動物界 後生動物亜界 脊索動物門 脊椎動物亜門 顎口上綱 条鰭綱 新鰭亜綱
 スズキ目 ベラ亜目 ベラ科 カンムリベラ亜科 ニシキベラ属


全長: 20cm


学名: Thalassoma cupido


英名: Cupid wrasse (Cupid = キューピッド wrasse = ベラ)
Rainbowfish (Rainbow = 虹)

漢字名: 錦倍良


地方名: アオテンジョウ(千葉県小湊)
キヌベラ(神奈川県三崎)
チンダイベラ(和歌山県田辺)
モミス(高知県柏島)
ジョロクサビ(長崎)

琉球列島を除く本州中部以南の日本各地、朝鮮、台湾に分布する。
海藻の茂る磯の岩礁域に生息する。

体形は細長く側扁し、体色は背中が緑色で紅褐色の筋や斑紋があり、腹側は藍色に紅色の縦帯が一つある。体色の雌雄差はあまり無いが、雄は青みが強く、雌は赤みを帯びる傾向にある。低水温にも適応しているベラで、温帯種のわりには熱帯種のように色鮮やかである。

幼魚は他の魚をクリーニングする習性がある。

産卵期は6月から9月で、沖合の転石帯や岩礁域に産卵場所を構える。ベラ類とブダイ類は、雌から雄に性転換する魚として知られている。大きな雌は雄に性転換し2次雄となり、雌を繁殖の相手として得ることができるが、もともと雄であった1次雄は、大きな2次雄に邪魔をされ相手を見つけることができない。そこで2次雄が放精する瞬間を見計らって近づき、同時に放精し自分の子孫を残すのである。

和名は体色が錦のように美しいことから来ている。

釣りなどで漁獲され食用とされる。旬は夏で、味はあまりよくないが、煮付けなどにして食べることができる。