キビレミシマ

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真核生物上界 動物界 後生動物亜界 脊索動物門 脊椎動物亜門 顎口上綱 条鰭綱 新鰭亜綱
 スズキ目 ワニギス亜目 ミシマオコゼ科 ミシマオコゼ属


全長: 33cm


学名: Uranoscopus chinensis


英名: 不詳

漢字名: 黄鰭三島


青森県以南、琉球列島を除く南シナ海、台湾に分布する。
水深50m以浅の砂泥底に生息する。

形がオコゼの特徴に似ているが、オコゼの仲間ではない。また、ミシマオコゼに似るが本種は胸鰭と尾鰭が黄色いことで区別できる。赤褐色に淡黄色の斑点がたくさんある。体型は円筒形で尾にかけてやや側扁する。頭部は大きく両眼は頭部の上にあり、口も上を向いて受け口で、砂に潜った時に眼と口が砂から出る。

口の中の下顎に1匹の小さい虫のような器官が付いていて、砂に潜っている時にはそれをチョロチョロと素早く出し入れする。魚がそれを食べようとすると瞬時に吸い込み、その魚を丸呑みにする。魚の他にも甲殻類やイカなども捕食する。

キビレミシマはミシマオコゼ属の中ではミシマオコゼよりよく見かける普通種である。ミシマオコゼは水深150m以浅に生息するが、キビレミシマは水深50m以浅と生息域は浅い。地域によってはミシマオコゼのほうが多く漁獲されるところもある。

ミシマオコゼ類は両目の後方にある小さな筋肉瘤の中に発電器官を持っているが、この魚の発電器官は他の発電魚よりもずっと小さい。発電魚が電気を使うのは、生きた餌を気絶させ捕まえる時、害敵から逃れる時、遊泳する時のどれかであるが、ミシマオコゼ類が電気をどのように使うかは、わかっていない。遊泳する時電気を使う発電魚は、電場を作り障害物を感知しているのである。

キビレミシマの名前の由来は、鰭の黄色いミシマオコゼという意味である。ミシマオコゼの名前の由来は、背面の模様が三島焼きの陶器のようだからと言う説、方言の「ムシマジュロ」の転訛だと言う説、東海道の宿場の三島の遊女に似て「みだらで醜悪な」という意味から来たと言う説の諸説がある。

食用となるが、あまり美味しくないと言われ、市場に出ることは少なく、かまぼこなどの練り製品の材料となることが多い。新鮮な物は刺し身にすると、白身の癖のない味で意外と美味しい。底引き網で漁獲される。