イイジマウミヘビ

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真核生物上界 動物界 後生動物亜界 脊椎動物門 脊椎動物亜門 爬虫綱 
 有鱗目 ヘビ亜目 コブラ科 ウミヘビ亜科 カメガシラウミヘビ属


全長: 100cm


学名: Emydocephalus ijimae


英名: Ijima's sea snake(Ijima = 〔人名〕sea = 海の snake = ヘビ) Turtlehead sea snake(Turtlehead = 亀の頭、カメガシラ)

漢字名: 飯島海蛇


琉球列島、台湾、フィリピン、中国に分布する。

イイジマウミヘビなどのウミヘビ亜科のウミヘビは完全に海水生活に適応していて、陸に上がることはない海棲動物である。
普通のヘビは腹の鱗(腹板)が横に長い長方形をしていて、体の他の部分の鱗(体鱗)よりずっと大きいのが普通であるが、ウミヘビ亜科のウミヘビでは、腹板は体鱗と同じくらい小型化している。
これは仔蛇を水中で産み落とす胎生になったためで、卵を産むために陸上で這いまわる必要がなくなったからである。
さらに、胴体全体も側扁していて、水中を泳ぐのに適した体になっている。
特に尾はへら状に強く側扁している。

ヘビの外鼻孔は普通、吻端の側面にあるが、イイジマウミヘビは吻端の上面についていて、さらに潜水中に鼻の穴から水が入らない様に板状のもので完全に開け閉めできるようになっている。
呼吸のために海面上に吻端を突き出すだけで30分から1時間程もぐっていられる。
ウミヘビの肺は普通のヘビより大きくなっていることが分かっている。

尾は全長の15%程になるが雄の方が長い。
しかし、体長は雌の方が大きくなる。

雌の吻端は丸いが、雄は吻端に突起がある。

胎生で一度に1〜4匹の仔蛇を11月〜1月ごろ産む。

体色は黒褐色の地で、30本程の白色横帯が並ぶ。
白色横帯は鱗2〜3枚分程度の幅がある
輪郭が不鮮明であることで他のウミヘビとは区別できる。

食性は魚卵食で、そのため歯は退化して無くなっている。
サンゴや岩の隙間を探索し、スズメダイ類やハゼ類の卵を食べる。

上顎前方に溝の入った一対の毒牙を持っているが、性質は温厚で人が危害を加えなければ襲ってくることはない。
日本近海で見られるウミヘビではクロガシラウミヘビやマダラウミヘビが比較的攻撃的であるが、エラブウミヘビの仲間やイイジマウミヘビはおとなしい。