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真核生物上界 動物界 後生動物亜界 環形動物門 多毛綱
ケヤリムシ目 カンザシゴカイ科 イバラカンザシ属
鰓冠直径: 4cm
学名: Spirobranchus giganteus
英名: | Christmas tree worm (Christmas tree = クリスマスツリー worm =虫) |
日本では本州中部以南、世界中の暖海域に分布する。
岩礁域・サンゴ礁域の岩の上やハマサンゴ類の上に生息する。
イバラカンザシの多くはハマサンゴ類の上に住んでいるが、稀に岩の上でも見つかることがある。幼生期には選択的にハマサンゴ類の上に定着するようだ。
定着した幼生が石灰質の棲管と呼ばれる体を入れる管を形成しながら成長し始めると、サンゴはそれを取り囲むように成長し続ける。
結果として棲管はサンゴの骨格中に埋没し、色彩変異に富んだイバラカンザシの鰓冠だけが外部に出るということで、決してサンゴに穴を空けながら成長しているわけではない。
鰓冠はらせん状になっていて、ゴカイの触手であるので一対ある。イバラカンザシはこの鰓管上の繊毛で水流を起こしながら、呼吸すると共にプランクトンなどを採食する。
指で触れると瞬時に棲管内に逃げ込み蓋をしてしまうが、手で触れるまでもなく光の変化に反応して管の中に入ってしまうので、近づく時は自分の体で影などを作らぬように注意する。
イバラカンザシの蓋には4本の棘状の突起があり、これがイバラの謂れである。この蓋が鰓冠に刺したカンザシのようなのでイバラカンザシという名となった。
ハマサンゴ類はなぜかオニヒトデの捕食を受けにくく、ガンガゼなどのウニ類による摂食からも逃れられるようである。これは、イバラカンザシがこれらの動物の撃退に関わっていると言う説もあるし、また攻撃されないということを知っていて棲んでいると言う説もある。
イバラカンザシが死んだ後残った棲管には、カンザシヤドカリというヤドカリの仲間やギンポなどの小魚が入り込み、新たな共生が見られる。