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真核生物上界 動物界 後生動物亜界 脊索動物門 脊椎動物亜門 顎口上綱 条鰭綱 新鰭亜綱
スズキ目 サバ亜目 サバ科 サバ亜科 サバ属
全長: 50cm
学名: Scomber australasicus
英名: |
Blue mackerel (mackerel = サバ) Spotted mackerel (Spotted = 斑点のある) Spotted chub mackerel (chub = ウグイ) Slimy mackerel (Slimy = ぬるぬるした) |
地方名: |
マルサバ・ウキサバ・ホシグロ(新潟県出雲崎) コモンサバ(島根県美保関) クルクマア・マルー(沖縄) |
北海道南部以南、沖縄、ハワイ諸島、東太平洋、西南太平洋に分布する。
大群をなしてマサバよりも沖合いを季節回遊する。春から夏にかけて北上し、秋から冬にかけて南下する。マサバより暖水を好み、日本近海では夏に多く漁獲される。
体型はマサバによく似るが、マサバよりも体の断面が丸く「マルサバ」ともいわれる。体側や腹側に小黒点が散在する。この小黒点は和名の由来にもなっている。
サバは魚偏に青と書くが、サバの背が青く腹が白いのは保護色なのである。上からは鳥などから見ると海の青と混ざって分からなくなり、下からは大型の魚などから見ると空の白と混ざって分からなくなるからである。
食性は動物食性で動物プランクトンや魚類を食べる。
産卵期は12月から6月で、産卵はおもに台湾北部から東シナ海南部で行われる。
食用となり、マサバと同じように利用されるが、味はマサバより脂肪が少ないだけ劣ると言われる。しかし、サバ節にして出汁をとると大変美味しい。そば屋のタレにはこのサバ節が使われているそうだ。旬の夏にはマサバよりも美味しいとされるが、漁獲量はマサバより少ない。鮮魚、サバ節として利用されるほか、缶詰や塩蔵品にも加工される。
「鯖の生き腐れ」と言われるように、たとえ鮮度の良いものでも、刺し身にして食べるときは注意が必要である。サバは他の魚よりも多い血合い肉の部分の変質が早いので、血合い肉に含まれるヒスチジンがヒスタミンに変化し、人体に入ってアレルギー症状を引き起こすのである。酢はヒスタミンの生成を防ぐので、しめ鯖は理にかなった食べ方である。この他、昆布じめ、塩焼き、味噌煮、蒸し物、船場汁などにする。
漁法は旋網、棒受網、定置網などで、船釣りの対象魚にもなっている。船釣りは撒き餌をして擬餌針で釣るサビキ釣りやチョクリ釣りが盛んである。
最近は青魚の効能が分かってきたので、サバも食べる人が多くなったようである。特に多く含まれるエイコサペンタエン酸・ドコサヘキサエン酸は動脈硬化を防ぎ、血管をしなやかにして血液をサラサラにし、血圧を正常に保つ働きがある。また若返りのビタミンと言われるビタミンEも豊富である。細胞膜の脂肪が酸化すると過酸化脂質という物質に変化し、これが老化現象を引き起こすのだが、ビタミンEは抗酸化作用があり老化を防いでくれるのである。その他糖尿病を防ぐビタミンB6や、肌を綺麗にするビタミンB2も多く含まれている。
余談であるが、「サバを読む」と言う言葉には諸説ある。よく知られているのは、サバはいたみやすいので、数える時に急いで数え、自分の都合のいいようにごまかすと言う説があるが、他にもアイヌの人たちがサバを沢山とって分配したところ、何度数えても数が合わなかったと言う珍説や、江戸時代に上方で取引されたサバは、背開きの塩サバ2尾を重ね、頭のところで刺し連ねて一刺しにした「刺し鯖」と言われるものだった為、数えにくく、売り手と買い手が駆け引きをしたと言う説がある。