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真核生物上界 動物界 後生動物亜界 脊索動物門 脊椎動物亜門 顎口上綱 条鰭綱 新鰭亜綱
カサゴ目 カジカ亜目 カジカ科 アナハゼ属
全長: 21cm
学名: Pseudoblennius percoides
英名: | Perch sculpin (Perch = 止まり木 sculpin = カジカ) |
地方名: |
ドヒヨオグス(新潟県寺泊) カジカ、グズ、ダライヲ(富山) チンボハゼ、ドギマラ(広島) モシブリ(壱岐) ジンジヤノマラ(長崎) |
北海道と沖縄以外の日本沿岸に分布する。
内湾のアマモ場やガラモ場に生息する。
有斑型から無斑型まで個体変異が多い。体色は生息地によって異なる。体に鱗はなく、側線は波状になっていて側線上に小黒斑をもつ。眼上に皮弁がある。
泳ぐことが得意でない底生魚で、海底にじっとしていてあまり動かない。食性は動物食で、モエビ、アミ類、ハゼ類、イシモチ類を食べる。共食いをすることもある。待ち伏せ捕食をし、大きな餌を飲み込んだ時、柔らかな腹をいっぱいに膨らますことができる。
アナハゼの雄は肛門の直前に体長の10パーセント以上にもなる円筒状の大きなペニスを持つ。また、雌も産卵する為の伸縮自在の輸卵管を体内に格納している。
雄は縄張りを持っていて、侵入者があると口を開けて威嚇する。雌は縄張りを持たず、複数の雄の縄張りを行き来する。雄は雌よりも小さく、雄は縄張りに入ってきた雌が動かない食事中などに、腹部を雌に向け交接器を伸ばして交尾する。
産卵は12月に行われ、特定のホヤやカイメンの体内に卵を託す習性がある。産卵する雌は産卵管をホヤの出水孔に挿入し、直径2mmくらいの卵をバラバラに産みつける。産み落とされた卵は、すぐにくっついてボール状になり、出水孔から出なくなる。
カジカ類はホヤやカイメンに卵を託すが、その利点はまず卵が捕食者に食べられないということと、胚への酸素供給が優れているということである。カイメンは体液に防菌効果があるため、たとえ死んだ卵でもバクテリアが繁殖しない。ただし、大量に卵を託されたホヤなどは、卵を吐き出したり、呼吸困難で死ぬこともあるらしい。海の育児事情も大変である。
アナハゼは胎生になり損ねたと思える体内配偶子会合型である。秋に交尾し冬に産卵、孵化した個体のほとんどは、翌年の冬には一生を終える。
ハゼの名を持つが、ハゼの仲間ではない。
食用としない。釣りでは、外道として釣れる。