オキタナゴ

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真核生物上界 動物界 後生動物亜界 脊索動物門 脊椎動物亜門 顎口上綱 条鰭綱 新鰭亜綱
 スズキ目 ベラ亜目 ウミタナゴ科 オキタナゴ属


全長: 25cm


学名: Neoditrema ransonnertii


英名: 不詳

漢字名: 沖鱮


北海道以南、西太平洋・朝鮮半島南部に分布する。
浅海の岩礁域のやや沖合いに生息する。

ウミタナゴやアオタナゴより体高が低く、尾鰭の先端は細く尖っている。
体色は銀色のものと、赤っぽいものとがある。
肉食性で多毛類や甲殻類などの小型の底生動物を捕食する。

釣りでは春の磯釣りとして人気があるが、釣り上げた雌の体内から子供が出てきて海に落ち、そのまま泳ぎだすということもある。
ウミタナゴ科の魚は卵胎生で、雌はおなかの中で卵を受精させ、その後孵化してある程度仔魚になるまで育て、それを産む。

交尾期の秋になると雄は岸近くの浅場に縄張りをつくり、雌が近づくと体を反転し鰭を震わせながら雌を誘う。
精子は精子球と呼ばれる塊として雌に渡されるが、その頃にはまだ雌は成熟しておらず、精子球を解いて雌の卵巣内で休眠状態となる。
雌は複数の雄と交尾するので、多くの精子球が雌に渡される。

雄の成熟は9月~10月頃で雌は11月から12月頃である。

雌の排卵とともに卵巣内の精子が活動を始め受精が起こる。
雌の生殖腺には複数の襞が発達しており、孵化した胎児は保育の為にその襞に包まれて成長する。
襞からは剥離物質や栄養分を含んだ液体が出ていると思われる。

妊娠期間は5ヶ月にも及び翌年の5月~6月頃に出産され、その時の仔魚の体長は5~6センチにも達する。
一匹の雌が産む仔魚は雌の体長によって違うが、一年魚で10匹程度、大きな雌からは20~40匹もの仔魚が産まれることもある。
仔魚は母体内では親と同じ方向を向いているので、出産時は尾鰭から出てくることになる。
従って、昔は逆子を産む魚として妊婦には食べさせなかったり、或いは安産を祈願して珍重されたりしたという話もある。

出生直後の仔魚はすぐに活発に泳ぎ、餌の豊富な時期でもあるため、自分で餌を探し食べることができる。
また、成熟も早く、雄は出生後4ヶ月で雌に求愛し交尾するし、雌も冬にはその精子で妊娠する。

雄の尻鰭には線様体という肉質の塊ががあるが、交尾期になると発達し突起が見られる。
しかし、これが交尾器であるかどうかは定かではない。

漁獲は大量には水揚げされず、定置網や刺し網にかかることが多い。
身は白身で軟らかく身離れがいいので、煮付けや塩焼きにすると美味しい。