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キンメダイ目 ヒウチダイ亜目 ヒカリキンメダイ上科 マツカサウオ科 マツカサウオ属
全長: 17cm
学名: Monocentris japonica
英名: |
Pinecone fish (Pinecone = 松かさ) Japanese pinekonefish |
地方名: |
タイノムコノオトト(神奈川県江ノ島、小田原) エビスウオ(三重) ゴゴウオ(和歌山県和歌浦) カラトウオ(京都府丹後) ヨロイ(高知) イギガキウオ(熊本) キクコ(鹿児島)、 |
北海道南部以南の西太平洋からオーストラリアに分布する。
浅海の岩礁域の岩の下や割れ目などの暗いところに生息するが、夜間には表層に浮上する。
和名は体型が松の実のマツカサに似ているところから来ている。
体は堅くて大きくつながった鱗で出来ていて、フグのように鰭だけで泳ぎ、体をくねらせて泳ぐ事は出来ない。鱗には隆起があり、後ろ向きの棘が付いている。体は黄色地で各鱗と鰓蓋の周囲は黒く縁取られて、下顎も黒い。棘の摩擦や鰾で音を発する事が出来る。
腹鰭には一対の強大な棘と僅かな軟条から出来ている。この大きな棘は体に対して垂直に固定する事ができ、外敵に襲われた時などは岩穴に逃げ込みこの棘を立て引っ張り出されないようにし、身を守ることができる。
マツカサウオは下顎の上縁側面に一対の発光体を持っている発光魚として有名である。この発光は、発光バクテリアとの共生によるものである。マツカサウオは下顎の空間に発光バクテリアを飼っているのである。どうやって取り込み、どうしてそこに集めるのかは不明である。
発光の目的はプランクトンなどを誘き寄せ捕食する為、蛍の様にコミュニケーションの手段とする為など諸説があるが、未だにわかっていない。日本のマツカサウオは発光が弱く、夜の海のように本当に真っ暗でないと分からないが、オーストラリア産のマツカサウオは発光が強いので水族館の展示などでも使われている。食性は動物性で、主にエビ類を捕食する。
マツカサウオの発光が確認されたのは1914年富山県魚津市の水族館で停電が起きたときである。真っ暗な水族館の水槽で発光していたのを発見された。
食用となり、肉質は大変美味しいとされ、焼き物などにする。また、かまぼこなどの練り製品にもなる。外観がユニークなため、乾燥させて置き物にしたり、太平洋沿岸地方では魔除けとして使用していたところもある。