マナマコ

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真核生物上界 動物界 後生動物亜界 棘皮動物門 有棘動物亜門 ナマコ綱 楯手亜綱
 楯手目  マナマコ科 マナマコ属


全長: 30cm


学名: Sticbopus japonicus


英名: Japanese common seacucumber (Japanese = 日本の common = 共通の、一般の cucumber = きゅうり)

漢字名: 真海鼠


別名: アカコ
アオコ
カイソ

北海道以南、九州、中国、朝鮮半島に分布する。
潮間帯から水深30mくらいまでの浅海の砂泥底に生息する。

一般にナマコとだけいうこともある。体は柔らかくヌメリがある。体形は筒形で体色には変異が多い。褐色で濃淡の斑紋があるものは「赤ナマコ」といい、暗緑色から黒色に近いものは「青ナマコ」といわれる。

腹面以外には円錐形の大小の突起がある。腹面は赤みがかり、管足が発達している。皮下には微細な骨片が多数ある。口は体の先端にあり、その周囲に20本の触手がある。分類学的にはウニやヒトデの親戚である。

和名の漢字「鼠」はネズミと読む。「海鼠」と書いてナマコである。和名の由来はナマ(生)のコ(海鼠)という説、ヌメリコ(滑凝)、ナメリ(滑)とコ(凝)からきたという説、ナワク(刃割口)から転じたという説など諸説ある。「マ(真)」は同類中の代表であると言う意味。

夜行性で、触手で砂泥底の微生物やケイ藻類などを捕らえて砂泥ごと食べ、その中の有機物だけを消化吸収し、残りの砂泥を排泄する。鰓は腸の周りについていて、肛門から呼吸作用のために海水を出し入れする。この海水の出し入れの際に魚が肛門に隠れることがある。その魚が 「カクレウオ」 である。中にはナマコの内臓を餌にするものもいる。

食用となり、赤ナマコのほうが青ナマコより上等で値段も高い。旬は冬で「冬至ナマコ」と言われ、この時期は活動が活発で身がしまり美味しい。逆に夏になると穴を掘って休眠状態に入る。どうして冬に活動するかというと、これはナマコの食性に関係する。ナマコはデトリタス食で、水底に生えた藻類のほか、小さな生物(動物プランクトン)や、水底に降り積もった有機物(植物プランクトン)をなめるようにして食べるのである。また無生物も有機物であれば食べてしまう。冬に活動停止したプランクトンは水底に堆積するので、ナマコの格好の餌となるのである。

ナマコの下ごしらえには二通りある。「振りナマコ」は、まな板の上に置いたナマコにたっぷり塩をかけ、ザルをかぶせて左右に振り、粘りが出て身がしまってきたら水洗いすると言う方法で、「茶振りナマコ」は、開いてわたを取り出し、小口切りにしてうす塩を振って20分ほどおき、ザルにとって熱い番茶の中に入れ、2・3回ゆすって塩分を抜くという方法である。「振りナマコ」は硬めに仕上がり、「茶振りナマコ」は柔らかめに仕上がる。

江戸時代に天下の三珍といわれ珍重されてきた酒の肴は、長崎のカラスミ(唐墨)、越前のウニ(雲丹)、三河のコノワタ(海鼠腸)であるが、この「コノワタ」がナマコのワタ(腸)を塩辛にしたものである。「三条の腸」というくらいで、腸の長さが体長の三倍にも達する。

内臓の他に卵巣の干物を「コノコ」といって酒の肴になる。またナマコ自体を煎って干したものを「イリコ」といって貴重な中国料理の食材とされる。イリコは強壮剤としても珍重された。中国では「海参」(カイジン)と呼ばれ、朝鮮人参に匹敵する薬用・滋養食品として人気がある。

ナマコは「コ」と呼ばれ、生の物は「ナマコ」、煎って干した物は「イリコ」、卵巣を干した物は「コノコ」、内臓の塩辛は「コノワタ」といわれるのが分かる。

産卵期は春から夏にかけてで、この時期のナマコは体内の生殖腺が発達している。

ナマコの腸の特徴に「自裁(ジザイ)作用」がある。ナマコが害敵に出会った時に、敵に向かって体内のありったけの内臓を肛門から煙のように吐き出し、敵をがんじがらめに縛り上げるのだが、内臓を出してしまったナマコは、小さくしぼんでしまい灘を逃れるのである。内臓には再生機能が残っているので、半年から一年で再生してしまう。