マダコ

F-90X 60mm RVP 大瀬崎 F-90X 60mm RVP 大瀬崎 写真をクリックすると
高画質でご覧いただけます。
F-90X 60mm G400 越前 F-90X 60mm REALA 大瀬崎



真核生物上界 動物界 後生動物亜界 軟体動物門 貝殻亜門 頭足綱
 無蝕毛亜目 八腕形(タコ)目 マダコ亜目 マダコ科 マダコ亜科 マダコ属 マダコ亜属


全長: 60cm


学名: Octopus vulgaris


英名: Common octopus

漢字名: 真蛸


別称: タコ、アカシダコ、アフリカダコ

日本中部以南、世界の温暖海域に広く分布する。
潮間帯から水深200m辺りまでの岩礁地帯や砂泥底に多く生息する。

体表にはやや縦長の大小の隆起が無数にあり、細かい網目状の模様になっていて色素細胞が分布しているので、周囲の環境に合わせて色を変えることができる。

一般に頭と思われている卵型の部分が胴で、呼吸、排泄を行うための円錐形の漏斗がある。頭は胴の付け根の眼のある部分で、頭部からは8本の腕が生えている。腕はほぼ同じ長さで外套長の2.5から3倍ある。雄では第2・第3腕に拡大吸盤がある。雄の生殖器は右第3腕の先端にあるので、茹蛸などで観察してみるとよい。

和名の由来は諸説あり、「タ」は手の転意「コ」はたくさんの意で手が多いことからという説、「タ」は手「コ」はナマコやカイコと同じ意味で「手をもった動物」という説、テナガ(手長)の略転という説、テコブ(手瘤)の転という説、タコの手が物に凝りつく事からタコ(手凝)であると言う説、鱗のない魚のハタコ(膚魚)の転という説、足が多い事からタコ(多股)という説がある。マはその同類の代表的なものを指す。

中国ではタコは鞭に似ていて、尾が分かれている淡水魚だと思われていた時代があって、魚偏に小枝という意味の旁を組み合わせて「鮹」という字を使っていた。日本では平安朝の時代に魚偏を虫に変えて「蛸」にしたと言う説もある。また、「八梢魚」と書いてタコと読む事もある。

卵のうは岩棚の下や穴の天井に多数の房状にして生みつけられる。母ダコは卵を産み付けると、子ダコが出てくるまで餌は食べずに、綺麗な海水を漏斗から送り続けながら卵を守る。この時期の母ダコは痩せていて捕まえても味が悪い。

穴を好む習性があり、昼間は岩穴や物陰で貝殻や小石を蓋にして隠れている。夜行性でエビ、カニ、貝、魚などを食べる。

タコの吸盤は中心から外側へ放射状に線が入っていて、その機能を保つため吸着面だけ脱皮する。

タコの墨は、敵から逃げるために煙幕のように使われる。これに対してイカの墨は、煙幕のように拡散せずにまとまっていて、あたかも自分がそこにいるかの様に、墨の分身を残して逃げるのである。

食用として大量に漁獲される。物陰にひそむ性質を利用した蛸壺漁が有名であるが、釣りでも漁獲される。。最近は国産のタコも少なくなり、市場に出回っている70%がインド洋やアフリカ沖の大西洋産の物となっている。近海もののタコは高級食材として料亭などにまわされるので、本場明石で売っているタコでさえアフリカ産のものがある。

近海ものとアフリカ産とは吸盤で区別がつく。アフリカ産は吸盤全体がピンクかアズキ色で、吸盤の中が白色だが、近海ものは外も中も黒っぽいアズキ色である。

また、タコは雄と雌でも違いがある。雄は身が硬く、酢につけてもあまり柔らかくならないが、雌は柔らかく美味しい。雄雌の見分け方は、雄は吸盤が大小不規則だが、雌は足の根元から先端に向かって次第に小さく並んでいる。

一年を通して漁獲されるが、旬は夏から秋にかけてで、夏祭りの季節が一番美味しい。欧米では「デビル・フィッシュ(悪魔の魚)」と呼ばれ、ギリシャ、イタリア、スペイン、メキシコなど一部の国を除き食用の習慣はない。

料理には腕が内側に巻いているもの、皮にヌメリの無いものを選ぶ。ゆでダコは身に弾力のあるものが新鮮である。鮨だね、酢の物、煮物、サラダ、スパゲティ、マリネなどにする。

飼育も出来るが、すぐ穴に入ってしまうので観賞には向かない。餌はあさりなどの生き餌でよい。また、縄張り意識が強いので、数尾入っている水槽に入れる際には、一度全部水から上げてから入れなおし、新たに縄張りを作らせるのがよい。寿命は1・2年である。