コスジイシモチ

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F-90X 60mm REALA 大瀬崎



真核生物上界 動物界 後生動物亜界 脊索動物門 脊椎動物亜門 顎口上綱 条鰭綱 新鰭亜綱
 スズキ目 スズキ亜目 テンジクダイ科 コミナトテンジクダイ亜科 スジイシモチ属


全長: 11cm


学名: Apogon endekataenia


英名: Elevenbanded cardinalfish (Elevenbanded = 11本の帯 cardinal = 深紅色の)

漢字名: 小筋石持、小條石持


地方名: イシブンコウ(静岡県静浦)
シマアカジャコ(和歌山県田辺)
シマイセジ(鹿児島)

東京湾以南、台湾、西太平洋に分布する。
浅海の岩礁域、サンゴ礁域のやや深いところに生息する。

体形はやや細長く側扁する。第1背鰭は第3棘条が一番長く、尾鰭は湾入している。体色は淡褐色で腹部はさらに淡い。体側に茶褐色の縦帯が8本ある。英名では11本となっている。尾鰭の基底に眼状の黒色円斑がある。

和名の由来は、体側に小さな筋を持つイシモチであることから。

一般にテンジクダイ類は群れて生活しているものが多いが、産卵期にはつがいになった2匹が群れを離れて遊泳する。離れた2匹は岩礁や造礁サンゴの周辺で縄張りを持ち、産卵までの7日から10日までの間一緒にいる。

ペアはお互いに体を摺り寄せる産卵誘発行動の後、雄が仰向けの状態になりお互いの腹部を密着させ、放卵と放精が同時に始まる。テンジクダイ類の雌が1回に産む卵の数は6千〜2万と言われていて、卵径はかなり小さいが、粘着糸で繋がっていて直径15mmくらいの卵塊状になっているので、雄が間違えて飲み込むような事はない。雄は放精後すぐに向きを変え、卵塊を自分の口腔内に受け入れ口内保育に入る。

口内保育とは産卵後の受精卵を雄が口腔内に収容し、孵化後のしばらくの間新鮮な海水を卵に送り、安全に守るという行動である。口内保育の期間は8日〜10日であるが、雄は単独で岩陰などで行い、その間は餌をとらない。ごく稀に、雌が卵をくわえる場合もある。危険な卵の時期を親の口の中で保護されるので、ほとんど無事にふ化することができる。