ハナアナゴ

F-90X 60mm RVP 富戸 F-90X 60mm RVP 富戸 写真をクリックすると
高画質でご覧いただけます。
F-90X 60mm RVP 伊豆海洋公園



真核生物上界 動物界 後生動物亜界 脊索動物門 脊椎動物亜門 顎口上綱 条鰭綱 新鰭亜綱
 カライワシ上目 ウナギ目 アナゴ亜目 アナゴ科 ホンメダマアナゴ亜科 ニラミアナゴ属


全長: 50cm


学名: Ariosoma anagoides


英名: Blackchin conger (Blackchin = 黒い顎 conger = アナゴ)
Sea conger

漢字名: 鼻穴子、花穴子


神奈川県以南の太平洋岸から東シナ海、東インド洋に分布する。
沿岸の砂泥底に生息する。

アナゴは硬骨魚の中では比較的原始的な魚で腹鰭が無い。また鱗は無いが、頭部に粘液腔があり、ヌルヌルとした多量の粘液を出し体を傷から守っている。

夜行性で昼間は岩穴や砂に潜っていて頭だけ出しているが、ダイバーなどに見つかると砂から出て泳ぎだす。しばらく泳ぐとまた尻尾から砂に潜ってしまう。

夜になると穴から出て徘徊し、小魚、ゴカイ類、甲殻類などを捕食する。

産卵期は春から夏にかけてで、直径0.3mmの浮遊卵を100万から1200万粒も生み、3日程で孵化する。孵化した稚魚は柳の葉のような形をしていて「レプトセファルス」と呼ばれ、到底魚には見えない。

アナゴの仲間は似ていて、同定は採集してみないと確かなことは言えない。アナゴに限らず、同定に関してはすべての魚類にも言えることだ。ただ、便宜上我々は、過去に採集標本等に因り同定された種類のものに関して専ら写真に頼って、可能な限りの憶測で同定しているに過ぎないことは否めない。その点を踏まえて、この図鑑をみていただきたい。

ハナアナゴとした理由としてはまず、アナゴ科ホンメダマアナゴ亜科ゴテンアナゴには、目の後ろに上下二個の暗褐色斑点があるはずだが、写真では認められないこと。アナゴ科クロアナゴ亜科マアナゴには、側線に明瞭な白色点があるはずだが、写真では認められないこと。また、近縁のオオシロアナゴは臀鰭始部縁辺が暗色なので、これも違うと判断した。結果ハナアナゴに特徴が良く似ているという理由でそう同定したのだ。