バラハタ

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真核生物上界 動物界 後生動物亜界 脊索動物門 脊椎動物亜門 顎口上綱 条鰭綱 新鰭亜綱
 スズキ目 スズキ亜目 ハタ科 ハタ亜科 バラハタ属


全長: 70cm


学名: Variola louti


英名: Yellow-edged lyretail(Yellow = 黄色い edged = 縁がある lyre = 竪琴 tail = 尾)
Yellowedge coronation trout(coronation = 戴冠式 trout = マス)
Lunar-tailed grouper(Lunar = 月の grouper = ハタ)
Lyretail coral trout(coral = サンゴ)
Moontail seabass(Moon = 月 seabass = スズキ)
Lunar tail rock cod(rock = 岩 cod = タラ)
Fairy Cod(Fairy = 妖精)
Painted coral grouper(Painted = 多彩な)

漢字名: 薔薇羽太


地方名: スジバラハタ、ツルグエ(和歌山県白浜)
スワスン(鹿児島県奄美名瀬)
ナガズー・ミーバイ(沖縄県糸満)
ナガジューミーバイ(沖縄県国頭村字浜)
ハーナミバイ(沖縄県平良市字狩俣) アカジィン(沖縄県平良市久松)
ミーバイ(久米島仲里村字真泊)

南日本、インド洋・西太平洋に分布する。
岩礁域やサンゴ礁域の礁湖や礁斜面に生息する。

成魚の体色は暗褐色から朱色まで、個体差が大きく、全身に赤色の小さな斑点が散在する。
幼魚の体色は白色からピンク色までさまざまで、眼から尾鰭に達する黒色縦帯があるのが特徴で、成長とともに消える。
老成魚は黒いシミのような斑紋が出る。
尾鰭の後縁が深く切れ込んで、両葉が長く伸び、遊泳に適した形となっていて、サンゴ礁の海底をゆったりと泳ぎ回っている。
成魚は尾鰭や背鰭、臀鰭、胸鰭後端が黄色くなっている。
特に尾鰭の後端が三日月のように見えることから、英名では「月の尾」となった。
また、和名の由来はその鮮やかな朱色の体色からきているが、沖縄では尾鰭の両葉が長く伸びていることからナガジューミーバイと呼ばれる。

近縁種のオジロバラハタに似るが、バラハタは尾鰭後端が黄色いことで区別がつく。

食性は肉食性で魚類や甲殻類を捕食する。

熱帯地方ではシガテラ毒魚として知られているが、海域や食べた餌によっては毒をもたない地域もあり、沖縄や宮古島では高級魚として扱われる。

バラハタの毒化は、シガテラ毒シガトキシンやマイトトキシンを産生する底生性の渦鞭毛藻ガンビエルディスクス・トキシクスを餌とする藻食性魚類(サザナミハギ など)を食べることに由来する。

シガテラという言葉は、もともとはカリブ海でシガ(cigua)と呼ばれる巻貝チャウダーガイを食べておこる特徴的な神経や胃腸の異常症状をしめす中毒をさしていたが、現在では熱帯および亜熱帯海域の珊瑚礁の周辺に生息する毒魚によっておこる死亡率の低い食中毒をさして言う。

一本釣りなどで漁獲され食用となるが、シガテラ中毒には注意が必要となる。
肉質は軟らかく、刺身、煮つけ、みそ汁などで食べる。
毒は煮ても焼いても消えない。